「安心安全な嚥下訓練の提供
フィードフォワード的臨床思考とその実践」
内容
摂食嚥下リハビリテーションは,多疾患に対して行われます.各疾患では病態が異なると同時に,リスクの観点も異なります.日々臨床をされておられる言語聴覚士の先生方は,運動範囲,運動負荷,運動方向,刺激強度,訓練効果など綿密に検討された上で実行されていると思います.ただし,疾患の特徴に合わせて,臨床家自身がフィードフォワード的な思考で十分に行うには臨床経験が必要となります.失敗を恐れずに臨床経験を積み重ねるという考えもありますが,他人の身体状態に影響を与えることは医療専門職としては極力避けたいと考えます.また,モニタリングやフィードバックは,事象が生じたことを把握しているということになります.本セミナーでは,訓練法と疾患特異性とを掛け合わせて,ある疾患の方の身体状況を把握しつつ「安心安全」な嚥下訓練の提供について,臨床技能をお伝えしたいと考えています.この方にこの方法は安心安全?安心安全でない?ということを,セミナー翌日から理解し臨床活動して頂けるようなるべく具体的な内容をお伝えします.
講師 柴本 勇 先生(聖隷クリストファー大学)
2024年3月3日(日)第13回言語聴覚療法技術セミナー開催報告
第13回技術セミナーをZoomによるオンライン形式で開催いたしました。今回も全国から約70名もの先生方にご参加いただき、ご質問もたくさんいただきました。ご参加いただきました皆様には心より感謝申し上げます。
今回のセミナーは「安心安全な嚥下訓練の提供 フィードフォワード的臨床思考とその実践」というテーマで、柴本勇先生(聖隷クリストファー大学教授)にご講義いただきました。
講義前半は、フィードフォワードの考え方について解説いただき、後半は、臨床家のフィードフォワードと患者自身のフィードフォワードの2つの視点について、実際の臨床場面を想定しながら教えていただきました。正しい運動を成功させるためには「内部モデル」の形成が重要であり、また、しっかりとシミュレーションをすることが臨床の安心・安全というアウトカムに繋がるということを教えていただきました。
録画映像は、会員特典として今年度末まで無料で何度でもご覧いただくことができます。参加できなかった方、復習したい方は会員専用ページからお申込みください。