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第15回 言語聴覚療法技術セミナー

  「嚥下訓練中の筋活動を可視化しその特徴を知ろう」

内容
 摂食嚥下は反射活動と随意運動とが共存する複雑な神経機構の上に成り立っています.また,ダイナミックな運動と微細な運動とがうまく時間的に共存して運動が実行されます.このような背景から,嚥下訓練や摂食嚥下リハビリテーションでは口腔顔面を中心に運動に対するアプローチが行われ,多くの手技やアプローチが開発されています.今回の技術セミナーではこの点に焦点を当てて,適正なアプローチ法を選定し実施できるよう,異なるアプローチ法での筋活動を可視化し、それぞれの特徴を知ることに挑戦したいと思います.
【基礎訓練】
 例えば粒が入っているミキサー食と粒がないミキサー食では筋活動にどのような違いがあるでしょうか?さらには,頸部回旋,頬づえ嚥下法,完全側臥位法などの姿勢の違いで,頭頸部筋の筋活動に特徴があるでしょうか?
【摂食訓練】
 シャキア法,嚥下おでこ体操,舌挙上,CTAR,頬膨らませ,呼気筋トレーニングで舌骨上筋群の筋活動に違いがあるのでしょうか?もしも違いがあるのならどのような違いでしょうか?これらを可視化して,臨床での適性や求める効果などをお伝えしたいと思います.
 これらを知り翌日からの臨床で科学的視点や筋活動を理解した訓練の提供ができるよう特徴を理解しましょう。 筋活動の可視化には、Noraxon社製表面筋電計を用います。さまざまなアプローチ法や物性、姿勢を試し可視化します。多くの皆さまのご参加をお待ちしています.

講師 柴本 勇 先生(聖隷クリストファー大学)

2024年10月20日(日)第15回言語聴覚療法技術セミナー開催報告
「嚥下訓練中の筋活動を可視化しその特徴を知ろう」

 第15回技術セミナーをZoomによるオンライン形式で開催いたしました。今回も全国から約78名もの先生方にお申込みいただき、ご質問もたくさんいただきました。ご参加いただきました皆様には心より感謝申し上げます。
 今回のセミナーは「嚥下訓練中の筋活動を可視化しその特徴を知ろう」というテーマで、柴本勇先生(聖隷クリストファー大学教授)にご講義いただきました。
 Noraxon 社製表面筋電計を用い、基礎訓練時の筋活動や摂取食物・食べ方・姿勢の違いによる筋活動を可視化し、解説下さいました。表面筋電計により可視化していただいたことで、その訓練の意義や疲労を考慮した訓練の選択の必要性など、臨床場面で根拠のある訓練を行うために必要な知識と技術を学ぶことが出来ました。また、質疑応答の時間には、参加者からのリクエストのあった姿勢や負荷による筋活動の違いを示し、解説いただける貴重な時間となりました。
 セミナーの録画映像は、会員特典として今年度末まで無料で何度でもご覧いただくことができます。参加できなかった方、復習したい方は会員専用ページからお申込みください。


受講された先生から ご感想

第15回言語聴覚療法技術セミナーを受講して

回復期リハビリテーション病院勤務 原 ゆかり 先生

 2024年10月20日に開催されました聖隷クリストファー大学の柴本勇先生による「嚥下訓練中の筋活動を可視化しその特徴を知ろう」のセミナーを拝聴いたしました。この度のセミナーでは“食べる際の口腔顔面領域の筋活動は実際にどのようになっているのか”について、筋電計を使用して可視化し、具体的にどのようなアプローチが有用なのか、理解を深める貴重な機会となりました。

 前半では、配布いただいた資料を用いて、筋電計の見方、食べることに関わる口腔顔面領域の基礎知識や筋活動について、具体的な手技の方法を、柴本先生のご経験も踏まえながらご講義いただきました。

 後半では、実技研修として、患者様役の頸部に筋電計を装着し、嚥下時の咬筋・舌骨上筋群・胸鎖乳突筋の筋活動、基礎的な嚥下訓練時や姿勢変化による筋活動の差異、参加者からの質問や疑問に実技を通して検証しご解答いただく時間を設けてくださいました。

 嚥下機能へのアプローチは生命に直結し、食事は基本的欲求にも大いに関わります。
にもかかわらず、実際の臨床場面では、知識も経験も追い付かず自分の引き出しの少なさに悩みは尽きず、模索する日々を続けています。 「有用とされている手技でとにかくアプローチしてみよう/なんとなく食べられるようになった気がする」など、経験則や主観的な判断を用いることが多いことを痛感しています。自分のアプローチはこれで適しているのだろうかと不安や不甲斐なさを感じることも多い…というのが私自身の実状です。
 この度のご講義では、食べることに必要な筋活動を実際に目で見て確認することができたので、実感しながら理解を深めることができました。また、具体的な手技や、姿勢や食物形態が異なるとどのような変化がおこるのかを比較検討していただけたので、明日からすぐに臨床で実用できる手技も獲得することができました。

 柴本先生のご講義はいつも、具体的な手技や考え方をご教授してくださいます。私のような臨床に携わる未熟な言語聴覚士の悩みや疑問も、決して否定はされず、同じ目線に立った言葉掛けをしてくださるので、心強く感じられます。そして何より、柴本先生が楽しそうに実技検証をされるお姿は非常に魅力的です。

 終了時にはいつも「また明日からも頑張ってみよう!」と、前向きな気持ちになれます。 日々模索の日々は続きますが、臨床に生かせるよう今後も自己研鑽に励みます。 実りある学びの機会を与えてくださる柴本先生、言語聴覚療法研究会の先生方に深く感謝申し上げます。

研修会開催報告


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