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第7回 言語聴覚療法技術セミナー

2022年2月23日(祝)第7回言語聴覚療法技術セミナー開催報告
「摂食嚥下障害と頸部聴診 -何を聴き何を得るか-」

 第7回技術セミナーをZoomによるオンライン形式で開催いたしました。今回も全国から150名近くの先生方にご参加いただき、ご質問もたくさんいただきました。ご参加いただきました皆様には心より感謝申し上げます。
 今回のセミナーは「摂食嚥下障害と頸部聴診 -何を聴き何を得るか-」というテーマで、柴本勇先生(聖隷クリストファー大学教授)にご講義いただきました。講義の中で、頸部聴診法で使用する聴診器や咽喉マイク、耳内マイクをご紹介いただきました。聴診器やマイクをあてる位置や姿勢による音の違い、物性による音の違いなど、臨床での見方、考え方を丁寧にご教授いただきました。
 講義中やアンケートでいただいたご要望やご意見も含め、今後も臨床に役立つ活動を行って参りたいと思います。


受講された先生から ご感想

第7回言語聴覚療法技術セミナーを受講して

関西電力病院 
木﨑 美那子 先生 

 2022年2月23日に開催されました聖隷クリストファー大学の柴本勇先生による「摂食嚥下障害と頸部聴診-何を聴き何を得るのか-」のセミナーを受講させていただきました。
 前半は頸部聴診に関する先行研究の解説、および“呼吸-嚥下のパターン”や“嚥下動態と嚥下音の関係”など頸部聴診の基礎についてご説明いただきました。今まで嚥下後の呼吸は必ず呼気から再開するという概念を持っていましたが、吸気にて再開する症例もいるというお話には驚き、呼吸と嚥下の一連のパターンに着目し、嚥下前後の呼吸音を聴取する必要性について学びました。
 後半は実技にて正常例の聴診音(呼吸音、嚥下音)について音響分析を交えて解説いただきました。教科書や論文では文字や図表など視覚的な情報が主であり、頸部聴診を行う上で最も知りたい【実際の音】の知識が得難いため、臨床の場では経験を基にした感覚頼りの曖昧な情報との印象をかねてより持っていました。今回のご講義では、聴診音と呼吸や喉頭挙上など目視で得られる所見、および音響分析など複合的に呈示しながらご説明いただきました。【実際の音】を用いてリアルタイムで音響分析をご呈示していただいたことは、教科書や先行研究では今ひとつピンと来なかった解説に【音】が加わり、理解しやすくなったように思います。また、複数のテクスチャー(液体、ゼリー、うなぎパイ)を用いて、様々な嚥下方法(1回の嚥下、連続嚥下、丸飲み、咀嚼嚥下など)をご呈示いただいたことで、先生が仰っていた「健常例はその時の状況によって柔軟に嚥下を調節することができる」という説明に合点がいき、一定の安定した聴診音が必ずしも正常であるとは言えないということを学びました。今回ご講義いただいたことを臨床現場で重ね合わせながら、診療に活かせるよう研鑽を積んでいきたいと思います。
 末筆となりましたが、新型コロナウィルス感染症拡大の折、大変興味深いテーマをオンラインでもわかりやすくと工夫を凝らし、多大なご尽力にてこのセミナーを開催してくださった言語聴覚療法研究会の先生方に深く感謝申し上げます。

研修会開催報告

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